ディレクションとデザイン

私がこの仕事をはじめたのは、もう30年も前。

デザイナーなんて肩書きは気恥ずかしいやら、誇らしいやら。

いくつかのデザイン事務所などで経験を積んだ後にフリーランスになった。

その後、某代理店の制作で仕事をする事になり、SP中心だった仕事がマス広告中心になる。その頃から、ディレクターとデザイナーでデザインを作るようになっていった。デザイナーはディレクターの元で仕事を積んで、やがてディレクターになる。カメラマンなども同じだ(そうじゃない場合もある)。

それから数年経って、営業で企業などに行った際「デザインをしています」というニュアンスで自己紹介すると、ちょっと勘違いされている感じがした。どうも、「デザイン」というコトバは二十数年前とは違う意味になっているようで、「専用のコンピューターソフトを使って、綺麗な印刷できるデータを作れる人」になっていたようだ。

WEBデザインの会社を経営している知り合いに、こんな事を言われた事がある。「デザインだけじゃなく、アイディアとかの提案もするんだ」デザイナーだから当たり前の事なのだが、世の中では当たり前じゃなくなっているらしいと感じた。

世間はどんどん変わっていく。このブログはWordpressで作っているが、数年前までMTが全盛だった。ホームページもほとんどがスマホで見られるようになり、PCサイトはいらない時代になった。デザイナーやディレクターなどの肩書きの意味も、これからもっと変わっていくかもしれない。

デザイナーという職業の裾野が広く(ある意味だれでもデザイナー)なった今、ディレクションの仕事が大事だ。“誰でもデザイナー”が作ったものは、上手に綺麗に見えるが、どうにも意味不明な内容だったり、中身が無かったり、伝わらなかったりする事がしばしば見受けられる。これでは、お金を払って作ってもらったクライアントにとっては損失である。もし、担当者などで作った広告やSPが効いてないんじゃないか?と思ったら、内容をもう一度精査してみてください。ディレクションのしなおしが必要かもしれません。そして若いデザイナーの諸君も、日々勉強してより良い広告作りを目指しましょう。

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