奇抜なデザインとベーシックなデザイン

私がまだ10代の学生で、代々木のデザイン事務所でアルバイトをしていた頃、

その事務所には2人のデザイナーがいました。

朝出勤すると、よく机の下で寝ていましたね。徹夜仕事だったんでしょう。

その頃から、この業界を徐々に知ることとなります。

ある日ADが私に教えてくれたことがあります。

うちには2人のデザイナーがいるけど、一人は変わったデザインや、奇抜なアイディアのものを作れる。もう一人は、ベーシックなデザインをキッチリ出来る。

職業人としてのデザイナーは、常に新しいものを生み出すとか、そんなことが重要なばかりではありません。会社にとっても、顧客にとっても、どちらかというとベーシックな、キッチリとした仕事が間違いなく素早く行えるデザイナーがありがたいのです。

デザインといっても、私たちが制作しているのは広告デザイン。アドバタイジングデザインです。

この業界のデザイナーが、仕事上一番重要視しなければいけないことは、「文字が間違っていないこと」です。それ、デザインじゃないじゃん!いえ、デザインです。文字が間違っていない。伝えるべき内容が伝わる。伝えるべきシズルになっている。これら全てがデザインです。これ以上言いませんが。

十代の頃にADに教えてもらった事が、最近頭によぎります。どんな仕事でも、原点は大事ですね。

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