私がまだ10代の学生で、代々木のデザイン事務所でアルバイトをしていた頃、
その事務所には2人のデザイナーがいました。
朝出勤すると、よく机の下で寝ていましたね。徹夜仕事だったんでしょう。
その頃から、この業界を徐々に知ることとなります。 “奇抜なデザインとベーシックなデザイン” 続きを読む
パンフレットからホームページまで制作。デザインの現場からの情報をお届け。
私がまだ10代の学生で、代々木のデザイン事務所でアルバイトをしていた頃、
その事務所には2人のデザイナーがいました。
朝出勤すると、よく机の下で寝ていましたね。徹夜仕事だったんでしょう。
その頃から、この業界を徐々に知ることとなります。 “奇抜なデザインとベーシックなデザイン” 続きを読む
早いもので、今日は6月1日。
4月から、なんだかんだ忙しかった当社ですが、梅雨前に一段落といったところでしょうか。
最近思ったことをひとつ。
デザインを作る時、昔ならオフィスの本棚に何冊もの資料になる本を置きました。
アイディアを出す時、モチーフを探す時、その資料の中からピックアップしてラフを作り、デザインを詰めて行く。
これが昔のやり方。
さて、最近は便利なもので、グラフィックデータはWEB上に沢山存在している。
その数は昔の比ではないので、とてもじゃないけど全ては見きれない。
昔は半日くらいかけて、資料本の山に付箋をつけていたが、そんな数じゃないのである。
例えばアイコンやイラスト、カット、背景、地紋、罫線など、全て手に入る。
これらは昔ならば本やポジフィルムの状態になっていたものだ。そこから紙焼したり透過原稿として製版所へ入れたりした。
こうなると、大事なのはなんだろう。
そう。どれを組み合わせるのか。どういう使い方をするのかである。
無数に存在してしまっているものを組み合わせる力。
これからのデザイナーは、この辺が問われるんじゃないでしょうか。
それにしても、WEBは凄い(今さら)
例)
ここは使いやすいですよ → Shutterstock.com
いつごろからだろうか、イラストレーションでもグラフィックデザイン、例えばフォンとひとつでも、手づくり感があるものに出会うと、ウワァー!と惹きつけられてしまいます。アイディアを探している時など、よく書店に出かけたりしますが(最近してないなぁ)探しているものでは無いのに、半ば無理やり目に飛び込んでくる。そんなものが、本当に自分が好きなものなんじゃないでしょうか。「こっれ、いいなぁ〜」とか、思わず言っちゃったりしませんか(笑)
いつから?
学生時代に雑誌illustlationに載っていた、アンドレアバルッフィ(たぶん)というイラストレーターのイラストに魅かれたのを覚えています。平面的な色構成で静かな夜の街の一角なんかを描いたもの。ファインアートより大量生産された印刷物の中に魅力を感じますね。なんか、別段貴重品扱いされないもの。何故そういうものに 魅力を感じるのかは解りません。
ケロヨンの藤城誠司
私が小さい時、木馬座のケロヨンがTVで放送されていました。作家はもちろん藤城清治(私と一文字かぶっているのが嬉しい)。藤城誠司といえばケロヨンより宇津救命丸のCMのほうが有名です。あの切り絵の世界。まさしく手づくりそのもの。本当に魅力的です。
手紙社
acebookから知ったんですが、「手紙社」という会社があります。これがまたすばらしく私の好きな世界観を持った会社です。きっと、スタッフみんなが、同じ完成を共有してるんじゃないですかね。そういう人たちが集まれたって、とっても幸せですね。この会社の作り出すものは、何にも考えず、ただ眺めたりして楽しむのが私流。多かれ少なかれ、趣味の世界ってそういうもんですよね。ね!
手紙社ホームページ http://tegamisha.com/
私の絵
お仕事で活躍したことは無いんですが、私もこんな絵を描いたりします。まどうでしょう、絵手紙社さんや藤城清治さんと通じるところがあるでしょうか。これは、手描き→イラレ→フォトショで描いていますが、シルクスクリーンや謄写版でもトライしました。でも今はやっていません。そのうちまた、やってみたいですね。
私たちデザイナーの仕事はデザインを作ることです。
よく雑誌広告やチラシ、パンフレットなど、
媒体を作るのが仕事だと間違えられる事がありますが
そうではないのです。
では、デザインとは何かというと、伝えるための表現です。
一度に沢山投げると、受け取れない(伝わらない)
広告(パンフレットやチラシも)を作る場合、
例えばお客様から商品の情報やユーザーに伝えたいことの要望があります。
その場合、特に注意しなければならないことは、
一度に沢山のことを伝えようとしないことです。
クライアント(担当者)は
・とっても甘い
・今までの焼き芋とは全然違う食感
・本場種子島産
・種子島の羽化より直送している
・種子島の中でも特に優れた品質
・子がね洗顔より栄養価が高い
・スーパー良い安い
・そもそも「安納芋とは…」
などなどをどれも大きく入れて欲しいと言ったとします。
しかし、クライアントの要望をそのまま咀嚼せず作ると、
ユーザーにはどの情報も届き難くなってしまう。
ヘタをすると何ひとつ記憶に残らないことだってあります。
キャッチボールを想像してください。
一つのボールだから受け取れるんです。
相手が10個のボールを同時に投げてきたら受け取れないでしょう。
そういうことなんです。
では、どうするか。
一つのボールを投げて、受け取ってくれたあとにもう一つ投げてみることです。
これなら受け取れます。
前出の安納芋の例なら、一番伝えたいこと。一番お客さんが喜ぶことをまず伝える(大きく扱う)。
その他の情報は、ボールを受け取ってくれたあと(広告を気にして見てくれたあと)に目に入るようにレイアウトするということです。その他にも、媒体を数回のシリーズにして毎回伝える情報を変えるなど、方法はいろいろあります。
大事なことは、
伝えたいことを絞ること。もしくは順位を付けることで伝わりやすくなる。
ということです。
私がこの仕事をはじめたのは、もう30年も前。
デザイナーなんて肩書きは気恥ずかしいやら、誇らしいやら。
いくつかのデザイン事務所などで経験を積んだ後にフリーランスになった。
その後、某代理店の制作で仕事をする事になり、SP中心だった仕事がマス広告中心になる。その頃から、ディレクターとデザイナーでデザインを作るようになっていった。デザイナーはディレクターの元で仕事を積んで、やがてディレクターになる。カメラマンなども同じだ(そうじゃない場合もある)。
それから数年経って、営業で企業などに行った際「デザインをしています」というニュアンスで自己紹介すると、ちょっと勘違いされている感じがした。どうも、「デザイン」というコトバは二十数年前とは違う意味になっているようで、「専用のコンピューターソフトを使って、綺麗な印刷できるデータを作れる人」になっていたようだ。
WEBデザインの会社を経営している知り合いに、こんな事を言われた事がある。「デザインだけじゃなく、アイディアとかの提案もするんだ」デザイナーだから当たり前の事なのだが、世の中では当たり前じゃなくなっているらしいと感じた。
世間はどんどん変わっていく。このブログはWordpressで作っているが、数年前までMTが全盛だった。ホームページもほとんどがスマホで見られるようになり、PCサイトはいらない時代になった。デザイナーやディレクターなどの肩書きの意味も、これからもっと変わっていくかもしれない。
デザイナーという職業の裾野が広く(ある意味だれでもデザイナー)なった今、ディレクションの仕事が大事だ。“誰でもデザイナー”が作ったものは、上手に綺麗に見えるが、どうにも意味不明な内容だったり、中身が無かったり、伝わらなかったりする事がしばしば見受けられる。これでは、お金を払って作ってもらったクライアントにとっては損失である。もし、担当者などで作った広告やSPが効いてないんじゃないか?と思ったら、内容をもう一度精査してみてください。ディレクションのしなおしが必要かもしれません。そして若いデザイナーの諸君も、日々勉強してより良い広告作りを目指しましょう。
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