失敗しないネットプリント3つのポイント
ネットプリントが当たり前の時代
近年では、ネットで注文する印刷が当たり前になりました。デジタルデータから印刷していなかった、または過渡期は紙(版下)を渡したり、CDに焼いたデータを印刷所に郵送していました。最近ではネットのみの印刷所ではなくても、ネットで申し込めるサイトを設置しているので大変便利になりました。
ホントは奥が深い印刷の世界
ネット注文を受け付けているとはいえ、印刷できないまたは間違った仕上がりになってしまうデータはエラーとなり印刷不可となります。中にはデータが間違っていてもそのまま印刷されてくるネットプリントもあります。入稿データに関しては自己責任という事ですね。色彩の出具合などは印刷所では正しいか間違っているか、判断はできませんので当然の事といえます。では、ネットプリントをする時、どんな事に気を付ければいいのでしょうか。
■3ミリのトンボを付けるドブ
印刷物は大雑把に言うと、プリントする→断裁するという工程になります。コピー機や家庭用プリンターは既に断裁された紙(A4など)をプリントするだけですよね。しかし通常印刷所では規格サイズより大きい紙に刷った後で断裁します。断裁の際は、紙の伸縮や引っ張られることによって紙が多少ずれるのです。その許容範囲が3ミリです。でも実際には1ミリもずれることはありません。しかし、僅かにずれた時、端まである写真部分が無く白色が出たりしないように3ミリ分延ばしておく必要があります。これがドブです。
- 写真や色ベタはドブの外まで伸ばしましょう。
■孤立点の削除
データ制作は、adobeのillustlatorを使う事が多いと思いますが、デザインが仕上がって、印刷用データにしたとき最後に余分な要素(デザイン部分以外に置かれた写真や文字なども)や見えないパスなども、エラーの原因になるので取り除いておく必要があります。
- 孤立点を含む不要な要素はすべて削除しましょう。
写真はRGBをCMYKに
ホームページやネット広告、SNSなど画面で見るものはRGBといデータ形式ですが印刷物はCMYKという4色のデータ形式で制作します。間違いやすいパターン1はデザインにRGB形式の写真を配置(張り込み)してしまう。これはネットプリントでもNGとなります。間違いやすいパターン2はRGB形式の写真をCMYKに変換したが補正せずに配置(張り込み)した場合。これはネットプリントではNGになりませんが、印刷物の仕上がりが青みがかってしまう場合があります。写真を張り込むときは、
- CMYKに変換する
- 色調補正をする
以上の2点に気を付けましょう。
▶RGBとCMYKの違いは、こちらのブログでもご覧いただけます。
写真の解像度
ちょっと難しいかもしれませんが、印刷の適正解像度は350dpiです。これは、印刷する原寸の時の解像度です。コンパクトデジカメ(通称コンデジ)などは72dpiのデータで保存されますが、これを350dpiに換算した時の大きさが印刷する原寸のサイズより大きければ大丈夫です。難しいですね。小さすぎると荒い写真になります。また極端に大きすぎるとデータが重くなり、ネットで入稿するときに時間がかかります。
ここまで読んでお分かりのように、ちゃんとした(エラーの無い)印刷用データを作るのにはそれなりの知識と労力が必要です。「ちょっとハードルが高いなぁ」と思った会社様は、印刷用のデザインデータは制作会社に作ってもらい、失敗のない印刷をしてください。
上手に印刷するための3つのポイント
1.用紙選び
用紙を変えると、印刷物のイメージが大きく変わります。ネット印刷で一番一般的なのはコート紙です。価格も一番安いですね。商店や教室のチラシやパンフレットなどはコート紙の90kgで刷られているものが多いようです。これをマットコートにすると少しツルツル感が消えます。そして少しコシが無くなり堅くなります。更にヴァンヌーボやミスターBなどに変えるとグッと高級感が出ますね。予算があれば、デザインや使い方に合わせて、用紙を変えてみてください。
2.印刷会社選び
今やネット印刷はどこもきれいに印刷されるので、ここがいいという事は言えませんが、定期的に印刷することが多ければ法人向け振替決済に対応している会社は便利だと思います。また、入稿方法も画面上のその場でチェックできるところが便利ですね。送料や運送会社を選べるなどそれぞれに違いがあるので、自分に合わせて探してみてください。
3.選べる入稿の形式
印刷会社選びでも書きましたが、illustlatorデータからそのまま入稿できるところや、pdfをその場でチェックできるところなど会社によって入稿方法も様々です。pdf入稿でしたらほとんどのところが対応しているので、どこでも問題はないと思いますが、印刷所によってillustlatorのプラグインが用意されていて、その印刷会社に最適な保存方法でpdf出力ができるところもあり、とても安心できますね。
ここまで読んで、「やっぱり難しい!」と思った会社様は、
信用できるデザイン会社に頼んでください!
その他いろいろな印刷
ステッカープリント
ステッカーは糊が付いているので、チラシなどとは全く別の印刷になります。ガラス瓶やワインボトルに貼るラベルなどはこれにあたります。当然表のみの印刷ですし、型抜きと言って資格ではなく、カタチに切られているものも多くあります。また、ラミネート加工や紙の質なども金や銀などチラシ等には使わないものが多くあります。指定の仕方も印刷会社ごとに違いますので、使途をよく見て入稿してください。
横断幕プリント
店頭の幟旗や横断幕などの印刷は、大概インクジェットという印刷機で行います。生地は幟のような薄いもの(ポンジ)やしっかりした暑い記事もあります。用途に合わせて選びましょう。また、幟は裏面が逆になって見えることや、竿を左右どちらに取り付けるかを指定するなど印刷以外の指定も必要になります。印刷する前に決めときましょう。
パネルやポスタープリント
ポスターのような大きなものもの場合、前出のネット印刷でも印刷できますが、1~2点など点数が少ない場合はインクジェットで印刷したほうがコストがかからないでしょう。また、そのままパネルに加工したりもネット上で発注できるので大変便利です。
ネット印刷は、大変便利になりました。お話しした以外にも様々な用途に合わせたネット印刷があると思います。ネット印刷を上手に使えば、コストダウンもできますし、時間短縮もできます。利用してみてはいかがでしょうか。
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