昔のやり方、崩壊。

昨日のTVタックルで、地方の塗装業(だと思った)の方が出演し言っていた「昔のやり方が、崩壊している」と。

その方の仕事は職人の世界で、新入りが何年も経験を積んで技術を学び、やがて独立していく。一般的に考えても理にかなったやり方だった。昔は。しかし今は、経済が冷えきっているので、新規雇用をしない。社員は首を切るしかない。就職できなかったものや首を切られたものは、生きていかなければならないので、個人や2〜3人で会社を作ったり、フリーで仕事を受注してなんとか仕事を確保する。勿論技術は低い。

出演者は、前出の技術の低い、激安でも請け負う、山ほど増えた連中と競合になるそうだ。仕事は受注しにくくなり、受注金額が低下し続け、業界全体の技術は低くなる。スパイラルだね。

見ていて、自分の昔を思い出していた。昔のやり方が崩壊したのはとうの昔だ。デザイン業界はコンピューターの導入で一気に変わった。写植、紙焼きがなくなり、イントほかカンプ制作に必要な材料も統べてなくなり、それらを生業としていた方は職を失った。製版もそうだ。昔は、企画を考え、デザインレイアウトを考え、写植を発注、手書き原稿を紙焼きにし版下を作っていたので、ウチでさえ外注先との繋がりの中で仕事をしていた。たぶん、どの業界も同じだろうと思う。今は、同業やカメラマン、代理店などとの繋がりはあるが、制作はほぼ一人で行っている。これは、広がらないね。精神的な負担も大きい。

更に、デザイナーがデスクトップ上であらゆることを管理しなくてはならなくなり負担がました。しかし、ギャランティはそのまま、もしくは下がった(時代が悪いからね)。気がつくと、デザイナーという職業の意味も世間的に変わってしまったようで、DTPやオペレーションをする人の事だと思われているらしい(実際そんなことを数社の担当者から言われたことがある)。

世の中が変わったんだから仕方がない部分もあるが、できればもう少し人や他社と手を組んで仕事を進められるようにならないかと思う。小さなことからでいいので。

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